寝たきりの老犬の寝返りと体位変換|床ずれを防ぐ姿勢の変え方とマッサージ
自分で寝返りを打てなくなった愛犬は、同じ姿勢のまま長時間過ごすことになります。体の出っぱった部分に圧力がかかり続けると、血のめぐりが悪くなり、床ずれ(褥瘡)ができやすくなります。
この記事では、体位変換(姿勢を変えること)の基本と、日々のケアのポイントをまとめます。
床ずれができやすい部位
| 部位 | 横向きで寝たとき |
|---|---|
| 肩・肩の付け根 | 下になる側の肩の骨が出ているところ |
| 腰・太ももの付け根 | 骨盤まわりの出っぱり |
| ひじ・かかと | 床に当たりやすい関節 |
| 耳・頬 | 頭を床につけているとき |
体が小さく痩せている子や、毛が薄い子は、特に注意が必要です。
体位変換の基本
1. 一定の間隔で姿勢を変える
同じ姿勢が長く続かないよう、数時間ごとを目安に、左右の横向き・伏せ姿勢を入れ替えるのが一般的な考え方です。ただし、必要な間隔は愛犬の状態や病気によって違います。かかりつけの獣医師に、愛犬に合った頻度を確認しましょう。
2. 無理のない方法で動かす
- 大型犬は、タオルやシーツを体の下に敷いて、2人で引くように動かすと負担が小さくなります
- 体をひねらず、背骨をまっすぐに保って転がす
- 痛がる、嫌がるときは中断する
3. 姿勢をクッションで支える
- 体の下や間に、クッションやタオルを入れて、骨が直接当たらないようにする
- 足の間にもタオルを挟むと、関節同士のこすれを防げます
- 体が不安定にならないよう、背中側も支える
こんなときは、すぐ動物病院へ
皮膚が赤くなって元に戻らない、毛が抜けた、ただれている、傷がじゅくじゅくしている、においがするといった場合は、床ずれが進行しているサインです。自己判断でクリームを塗ったりせず、早めに受診しましょう。
毎日のチェックと清潔ケア
- 体位変換のたびに、皮膚をチェックする(赤み・脱毛・ただれ)
- 汚れたシーツやマットは、すぐ交換する。湿ったままだと、皮膚トラブルの原因に
- おしっこで体が濡れたら、やさしく拭いて乾かす
- 乾燥しすぎず、蒸れすぎない環境にする
寝床・マットの選び方
床ずれを防ぐためには、体の重みをうまく分散できる寝床を選ぶことが大切です。
| ポイント | 理由 |
|---|---|
| 適度な厚みと反発力 | 薄すぎると床に当たり、柔らかすぎると沈み込んで姿勢が崩れる |
| 通気性 | 蒸れを防ぐ |
| 洗いやすさ | 汚れても清潔に保てる |
| 体より大きいサイズ | 体がはみ出さず、圧力が分散される |
床ずれ対策の全般は、寝たきりの老犬の床ずれ対策でも詳しく解説しています。
やさしくマッサージする場合
血行を促すために、やさしくなでるようなマッサージをすすめられることがあります。ただし、赤くなっている部分や傷がある部分は、強くこすらないでください。また、痛みや骨・関節・心臓の病気がある場合は、マッサージの可否を獣医師に確認しましょう。
よくある質問
Q. 夜も体位変換が必要ですか?
状態によって違います。夜間の頻度や方法は、獣医師と相談して決めましょう。無理をして飼い主さんが倒れないことも大切です。
Q. すでに皮膚が赤くなっています。
圧がかからないように姿勢を変え、できるだけ早く動物病院へ。放置すると、傷になることがあります。
Q. 介護が大変で、体が持ちません。
老犬介護に疲れたときにも参考にしてください。ひとりで抱え込まないことが大切です。
さいごに
寝たきりの愛犬のお世話は、「姿勢を変える・清潔に保つ・毎日チェックする」の3つが基本です。獣医師と相談しながら、愛犬にも飼い主さんにも無理のない方法を見つけてください。
まとめ
- 寝たきりでは、同じ部位への圧迫が続いて血流が悪くなり、床ずれができやすい
- 体位変換は、状態に合わせて一定の間隔で行う。間隔や方法は獣医師に確認する
- 骨が出っぱった部位(肩・腰・かかとなど)は、赤み・脱毛・ただれがないか毎日チェックする
- 寝床は体圧を分散できるマットを選び、汚れたらすぐに交換して清潔を保つ